本日の歌

本日はブログ仲間のコメントより懐かしみを覚えました小学唱歌です。

 

故郷の空

 

夕空はれて あきかぜふき
つきかげ落ちて 鈴虫なく
おもえば遠し 故郷のそら
ああ わが父母 いかにおわす

 

すみゆく水に 秋萩たれ
玉なす露は すすきにみつ
おもえば似たり 故郷の野辺
ああ わが兄弟(はらから) たれと遊ぶ

歌詞の意味

「つきかげ(月影)」とは、月の光のこと。「つきかげ落ちて」は、辺り一面が月の光に照らされている様子を表している。

「いかにおわす」の「おわす」は、「ある」「居る」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「いかにおわす」とは、故郷の父母は今どのようにお過ごしでいらっしゃるだろうか、という望郷の思いが込められている。

「萩(ハギ)」は秋の七草のひとつ。古くから日本人に親しまれ、『万葉集』で最もよく詠まれる花でもある。

「玉なす露(つゆ)」とは、萩(ハギ)の葉の上にたまった夜露・朝露の丸い雫(しずく)のこと。

「はらから」とは、兄弟姉妹を表す古語。「はら」は、同じ母親のお腹を意味し、「から」は、氏族共同体の族員を指す「うから」「やから」の「から」で、血縁関係を意味する。

「たれと」の「たれ」は、現代における「誰」と同じ。童謡『あの子はたあれ』の「たあれ」も同様。