白い花の咲く頃

本日いつものように孫の通学についていった。

この歌が流れてきた。

曲名はわからなかったのだが。

 

作詞:寺尾智沙、作曲:田村しげる、唄:岡本敦郎

1 白い花が咲いてた
  ふるさとの遠い夢の日
  さよならと云ったら
  黙ってうつむいてたお下げ髪
  悲しかったあの時の
  あの白い花だよ

2 白い雲が浮いてた
  ふるさとの高いあの峰
  さよならと云ったら
  こだまがさよならと呼んでいた
  淋しかったあの時の
  あの白い雲だよ

3 白い月がないてた
  ふるさとの丘の木立に
  さよならと云ったら
  涙の眸(ひとみ)でじっとみつめてた
  悲しかったあの時の
  あの白い月だよ

《蛇足》 昭和25年(1950)発表のNHKラジオ歌謡。

 岡本敦郎はこの歌で世に知られました。作詞の寺尾智沙は作曲の田村しげる夫人。

 昭和25年といえば、敗戦時の混乱がようやく収まり、就職や進学のために田舎から東京などの大都市へ出てくる若者が増え始めた時期です。
 季節は、中学や高校の卒業式が済み、別れが多くなる3月末から4月はじめ。コブシやハナモクレンを先駆けに、白い木の花が次々と咲きます。

 黙って見送る少女の遠景には、白い木の花。田舎から都会へ出てきた多くの人が、春がくるたびに思い出す光景でしょう。

(二木紘三)